幼稚園の時の出来事で、不思議な話がある。
実家の近くに、「大池公園」と言う池がある。
今でこそ池の周りは舗装され、散歩コースになっているのだが、当時は、未舗装で道も荒れていて、道幅30センチぐらいの所もあった。
勿論、池の周りにはフェンスも無く、うっかりすると落っこちる事もあった。(実際にボクは4歳ぐらいの時に、大池に落ちているのだ。)
そんな池であった為、幼稚園児、小学生は大池に行ってはいけないという、地元の暗黙のルールみたいなものがあった。
しかし、ルールを無視して、幼稚園の頃に友達2人と大池へ行った。
勿論、親には内緒で。子供の僕達には、大池がジャングルの様に感じ、冒険気分だったのだ。
ボクは、友達よりも大池に行った回数が多く、大池の全貌を熟知していた。よくおじいちゃんに、連れて行ってもらっていたのだ。
大池公園は、大池(外周300m)、小池(外周100m)の2つの池で構成されて、周りは林で覆われている。
ひとしきり、友達と遊んでいると、大池を背にした山の斜面に、鉄でできた頑丈な梯子が架かっているのに気づいた。黄色い梯子で、ステップのところに、ギザギザの滑り止めがあったのを覚えている。例えると、滑り台の登る階段みたいな感じの梯子だった。
こんな梯子は、今まで何度と無く大池に来ていたが、見るのは初めてだった。勿論、友達もこの梯子を見るのが、初めてだった。
僕達は、梯子を登ることにした。高さで言えば2メータぐらいだったと思う。梯子を登ると、そこには木々に覆われた100㎡位の平らな地面が出現した。
ボクが先頭を切って、平らな地面に足を踏み入れると、
「ズブッ、ズブッ」と、地面が沈んでいく。
危うく足をとられそうになり、梯子の方へ引き返した。
今度は、靴が汚れそうだったので、靴を脱ぎ、靴下を脱いで裸足でチャレンジした。
案の定、「ズブッ、ズブッ」と音を立てて地面が沈む。
それでも、ズンズン歩いていった。
しかし、「ズブッ、ズブッ」とどんどん地面が沈んで行く。
底なし沼だったのだ。←気づくの遅すぎ。。。
ヒザ下ぐらいまで、泥で埋まってしまい身動きが取れなくなってしまった。歩いてなくても、徐々に埋まっていき、遂には太ももまで埋まってしまった。
さすがにヤバイと思い、友達2人に引っ張ってもらったのだが、全然抜けないのだ。焦ってもがくと、ドンドン沈んでいく。
友達2人の顔も青ざめて来ている。
どうやったか覚えていないのだが、なんとか友達2人に救出され、一命を取り留めた^^;
辺りはもう夕暮れで、薄暗くなっていた。
3人ともかなり動揺していたので、帰ることにした。
泥だらけの3人組である。
帰宅後、当然親にはバレて、怒られた。
お風呂に入って、汚れた体を洗っていて、ふと足首を見ると…
なんと…人の手型のアザがクッキリ付いているのだ。
うぁ…と思ったけど、親に言う事はせず、一人でビビッていた。
風呂から上がると、母親に「あんた、靴下どうしたの?」と言われ、忘れて来たことに気が付いた。
当時、その靴下がお気に入りで、(キャラ物、確かサンバルカンだったと思う。)どうしても、取りに行きたかった。
次の日、大池へ靴下を取りにいこうと友達2人を誘ったのだが
2人とも、どうしても行きたくないと言うのだ。
なぜかと問い詰めると、彼らの足首にも、ボクと同じアザが出来ていると言うのだ。ボクはすっかりアザの事など忘れていたのだが。
「たぶん、おばけだよ。こわいよ。」みたいな感じで、ビビッていた2人を無理矢理、大池に連れて行った。
でもね…どうやっても、黄色い梯子が見つからないんですよ…
絶対ここにあったって、場所に行っても無いんです。
散々探したけど、梯子が見つからず結局、靴下も戻らないまま。
その後も、小学生、中学生の時も、大池に行くと探してみるのですが、絶対見つからない。
ボクの靴下を返してください!